私生活について。

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【映画】『あの娘が海辺で踊ってる』を見ました。


【第24回東京学生映画祭】あの娘が海辺で踊ってる【予告編】

 

ぴあフィルムフェスティバルでハーレスを撮っていた山戸結希監督の『あの娘が海辺で踊ってる』を見ました。

現役女子大生監督です。

ハーレスが好きだったのと、山戸結希自体に興味があったのと、上演後のトークショーのゲストが童貞をプロデュース等で有名な”奇才”松江哲明監督だったので、わざわざ東中野まで終電ギリギリになりながら遠征しに行きました。

 

映画は、『あの娘が海辺で踊ってる』と『Her Res~出会いをめぐる三分間の試問3本立て~』とあの娘が海辺で踊ってるの後日談を描いた3D作品(演劇)『さよならあの娘』の3本立てで、その後に松江監督とのトークという流れでした。

 

作品自体どうこうの前に、同世代や年下の子が活躍している場に行くと自分にとっていい刺激になるなと改めて感じました。悔しいのと、うらやましいのと、自分の日常への戒めを感じて、とても良い。

 

特にこの山戸監督。

上智大学に映画研究会を立ち上げ、処女作、2作目、バンドじゃないもんのPVとやりたいことをやって、結果を残してきている。

私が彼女に惹かれたのは、作品や受賞歴よりも、何もない状態から映画研究会を立ち上げ、次々に自分のやりたいことを実現していく実行力に魅力を感じたからである。

今回の上映でも、3D作品とは名ばかりの演劇作品『さよならあの娘』や上映後配られた「あの娘新聞」、上映後に主人公マイコがアイドルとして握手会&サイン会をするなど、やりたい放題。

今、やりたいこと、できることをすべてやりつくしているといった感じだった。

そういう彼女のいまの状況が羨ましく思うし、自分もぐだぐだ言ってないで行動しなければと思いました。

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という、自分の感傷はこのくらいにして、ここからは、作品の感想をば。

うまくまとめられなかったので、思ったことを箇条書きにします。

 

・音楽の使い方が彼氏彼女の事情とかエヴァっぽい。

・富山優子「CPU」、前野健太「友達じゃがまんできない」が良い。

・海、女子高生とかきらきらしてる。

・飯島みなみさん、メガネの子が個人的に好き。

 

・学園祭みたい。映画のクオリティもこのイベント自体も。

・演技と音が気になった。

・アフレコ多すぎ。

・早口とへらへらするのはやめた方がいい。

・音が聞こえ辛いとこがいくつかあって、もったいない。

 

Twitter等、ソーシャル上では、とても大反響で絶賛の嵐のこの作品ですが、誰も悪いことは言わない風潮が気持ち悪いのであえて厳しいことを言うと、個人的には、インディペンデント色が強いというか、悪く言えば、高校の学園祭で上映されていた作品みたいだなと思ってしまいました。

私は普段、自主制作系の映画を見ないので、どこまでのクオリティを求めていいのかわからないのですが、期待して見に行ったので、その分、あら荒削りな部分が目についてしまいました。

制作費や機材、人材の問題で100%の思い通りのものができないんでしょうね。

そう考えると、前回見た「かしこい狗は吠えずに笑う」はインディペンデントにしては、すごいクオリティが高かったんだなと思いました。

 

一番気になったのは、演技と音です。

外の撮影が多いのと海辺での撮影のため、演者の声が聞きづらい、そのためアフレコが多用になってしまっていて残念でした。

演技に関しては、本谷有希子のクレイジーハニー(演者に素人を起用した作品)でも思ったのですが、やはり演技がある程度しっかりしていないと物語の世界観に入っていきずらく、ちょっと冷めてしまいます。

新設の同好会ということで、おそらく演者も初めてやる人などもいたのでしょうから、棒読みや演技力の問題は分かるのですが、早口で何をいっているのか聞き取れない、笑ってしまっているなどは、さすがに気になってしましました。

 

ストーリー的には、思春期の少女の葛藤を描いたものだったのですが、登場人物たち、特に主人公にリアリティを感じなかったので、あまりその世界に引きこまれませんでした。女性のかた達には共感できるものがあるのでしょうか。

特に、私は登場人物に共感できる点を求めるタイプなので一層、それを感じたのかもしれません。

また、これは彼女の作品を通して思っていることなんですが、トークなどを聞いていたり、自分で0から立ち上げ頑張っている実行力からも彼女自身は熱い人なんだと思いますが、作品からは思いとか伝えたいことはあまり伝わってこない感じがします。

単純にそういう映画を作る気がないのかもしれませんが。

個人的に、そういう私小説みたいな作品のが好きなので、一度そういう作品も見てみたいなとも思います。

 

あと演者としては、飯島みなみさんとPFFの時にも壇上にあがっていたメガネの人が個人的に好きでした。

メガネの人は、どっちもちょい役でしか出てないですが、雰囲気あるし、いいキャラクターだなと思いました。

最後の3D作品(舞台)のダンスでも、一人セーラー服の下にTシャツを着ているし、それも目立つ青い色を着ているし、一人だけダンス遅れていたし。その割にひょうひょうとしていて、なんか良いです。

飯島みなみさんは、個人的にああいう子が好きだというのと、叫んだ時の表情がよいし、演技が好きだったので、他の作品も見てみたいです。

 

私はこの作品に関してはすこし厳しい感想でしたが、今回トークライブにきた松江監督をはじめ、業界の人からの評価は非常に高いですし、松江監督いわく、山戸監督は3年以内に大衆映画を撮る人ですので、チェックしてみて損はない作品だと思います。

むしろ、来年くらいにもう撮っていそうな気もしますが・・・

そういう大人たちの流れに流されずに、これから規模の大きな作品を撮るようになっても自分のやりたいことをやって突き進んでほしいと思います。